BMWのミドルサイズSUV、X3 20d Mスポーツに試乗してきました。この記事では試乗レビューと僕の勝手な採点評価をお届けします。
試乗での感想や評価は完全に筆者の主観に基づくものです。内容によっては気分を悪くされる方がいると思いますがご容赦ください。
こんにちは!なばっち(@go-travelblog.com)です。
現行BMW X3は2017年に3代目としてデビューしたBMW SUVラインナップの中核をになうモデルです。
今年辺りビックマイナーチェンジの噂もありますが、最近ライナップにPHEVが加わったりフルEVのiX3がデビューしたりとまだまだ話題が尽きません。
BMWのラインナップの中でも超人気車種のX3。SUV人気の波に乗ってまだまだ売れそうです。
そんなBMW X3。今回は最も売れ筋のX3 20d Mスポーツに試乗しました。
さすがBMW!SUVとは思えない俊敏なハンドリングと安定感を持ちつつも高い静粛性も兼ね備えた「ちゃんとBMWしている1台」でした。
過去3台のBMWを乗り継いできている僕がBMW X3 20d Mスポーツを試乗して感じたことを余すことなくお届けしていきます。
動力性能
ハンドリング
乗り心地
長距離移動
静粛性
使い勝手
燃費
- BMW X3のグレード展開や価格等の基本情報
- BMW X3の内外装
- BMW X3の試乗レビュー
- BMW X3はどんな人におすすめか?
ぜひ最後まで見ていってくださいね!
BMW X3 20d Mスポーツの基本情報
BMW X3のグレード展開・価格・スペック
BMW X3のグレード展開と価格
X3 xDrive 20i | Standard | 675万円 |
↑ | xLine | 721万円 |
X3 xDrive 20d | xLine | 742万円 |
↑ | M Sport | 745万円 |
X3 xDrive 30e | xLine Edition Joy+ | 778万円 |
↑ | M Sport Edition Joy+ | 781万円 |
X3 M40i | – | 889万円 |
X3 M40d | – | 908万円 |
BMW X3 20d Mスポーツのスペック
- 全長✕全幅✕全高:4720✕1890✕1675mm
- ホイールベース:2865mm
- ラゲッジ容量:550L(後席折りたたみ時:1600L)
- 車両重量:1870kg
- エンジン
最高出力:190ps/4000rpm
最大トルク:400Nm/1750-2500prm - 駆動方式:AWD
- トランスミッション:電子油圧制御8速AT
- タイヤ/ホイール:フロント245/40R19
リア245/40R19 - 燃費(WLTCモード) :14.0km/L
市街地モード :12.1km/L
郊外モード :13.4km/L
高速道路モード:15.5km/L
BMW X3は充実の運転支援だがシステムは一世代前
X3の運転支援システムは最新の3シリーズ等に搭載されているモノの一世代前のもの。3眼カメラと高精度演算処理による高速道路ハンズオフ機能は搭載されません。
とはいってもトラフィックジャムアシストに対応したACCやレーンコントロールアシスト等は装備されていて運転支援系としての過不足はありません。
- ACC(ストップ&ゴー機能付)
- レーンコントロールアシスト
- 車線逸脱警告
- 隣車線車両検知警告
- 前車接近警告
- 衝突回避・被害軽減ブレーキ
- 事故回避アシスト
- 後車衝突警告
- クロストラフィックアラート
- PDC(ビジュアル表示付)
- パーキング・アシスト
- トップ+3Dビュー表示
- 側面カメラ
- 後方カメラ
▼BMWハンズオフの実車レビュー記事はこちら▼
BMW X3 20d Mスポーツについて
X3 20dは人気のX3の中でも1番の売れ筋モデルです。
プレミアムSUVセグメント、ディーゼルエンジン縦置き+AWD、比較的手頃な価格とサイズ感。
人気が出ないはずがない誰もが欲しがる仕様てんこ盛りの車です。
BMW X3 20dの内外装
エクステリア
先代X3と比較すると大型化されたキドニーグリルですがこれでも最新のBMWデザインの中では控えめ。
2021年秋に予想されているマイナーチェンジモデルではもっと大型化することはほぼ確実なため「あんまりデカっ鼻はヤダ!」という人には今が狙い時かもしれません。
最新のBMWはキドニーグリルに必要に応じて開閉するグリルシャッターが搭載されていますがX3にはなし。そのせいでグリル内の補強バーが丸見えになってしまっているのがちょっと残念。
X3は3シリーズ以上のモデルに採用されているエンジン縦置きのCLARプラットフォームです。
そのおかげでSUVでありながらロングボンネット、ショートオーバーハングのプロモーションを実現しています。
これこそがBMW!といえる特徴だと僕は思っていてとてもカッコいいんですよね。
典型的なSUVデザインです。コンビネーションランプはLED。マフラーは左右2本出しになります。
ツーリングと違いリアガラスの独立開閉は装備されません。SUVは背が高いので必要性がないのかもです。
インテリア
インテリアも一世代前のものです。
若干デザインの古さは感じるものの使っているマテリアル含め十分質感の高いインテリアです。
メーター周りは最新のBMWライブコックピット。12.3インチのフル液晶メーターパネルと10.25インチのセンターディスプレイが標準装備されます。
センターディスプレイはタッチ操作に対応し、センターコンソールのジョグダイヤル、音声認識、オプションで装着できるジェスチャーコントロールと4つ手段で操作が可能です。
フル液晶メーターパネルは他のBMWの車種と同じく表示する内容のカスタマイズが可能で、簡易地図、燃費計、マルチメディア情報等を表示できます。
写真はX lineのものですが実際にはMスポーツステアリングが装着されています。
新型3シリーズ等で採用されている超極太グリップのものではなく、5シリーズと同じ常識的なグリップのものです。
ステアリングには左側にACC関連、右側にマルチメディア操作関連のスイッチ類が集約されています。
センターコンソール周辺にはシフトレバーとドライブモードセレクト、パーキングアシスト等のスイッチ類が並びます。
X3は電動パーキングブレーキとオートホールドが標準装備でオンオフスイッチもこの位置にあります。
ドライブモードセレクトはECO PRO、COMFORT、SPORT、SPORT+の4種類です。
X lineのものですがドアトリムは木目調、ドア内側は合成皮革で覆われています。ドアスイッチはサテンメッキで加飾されていてひじょうに質感高いです。
後部座席も広々。身長170cmの筆者のドライビングポジションに運転席を合わせた状態で膝前にげんこつ2個分の余裕があります。
SUVなのでヘッドクリアランスは余裕。大柄な男性でも快適に過ごせると思います。
BMW X3 20d Mスポーツ試乗レビュー
背の高いSUVとは思えないハンドリングと安定感
ハンドリングと安定感は一般的なSUVとは明らかに違います。
ステアリングと前輪が直結しているかのようなダイレクトなハンドリングはまさにBMWそのもの。
ただし3シリーズや4シリーズのようにクイックに「ズバッ!」と車の向きが変わるというよりも穏やかに、でも正確に向きが変わるイメージです。最近試乗した車の中では5シリーズに近い感覚です。
安定感も抜群ですね。
普通この手の背の高い車は右左とハンドルを切り替えすと車体がふらつき姿勢が乱れるものですが、X3はハンドル操作に対して前後の荷重移動が遅れることなく4輪がビタッと路面に張り付いている安心感があります。
この辺りはSUVであっても前後重量配分50:50のBMWの哲学が見て取れる部分です。
またX3には4輪駆動のxDriveが搭載されていることも安定した走りに一役買っているんだと思います。
▼xDriveについて解説した記事はこちら▼
高速道路などはビタビタに安定して走れますよ。
5シリーズ並の静粛性と乗り心地の良さ
X3は名前からして3シリーズのSUV版と思われがちですが静粛性や乗り心地といった動的質感はむしろ5シリーズに近いものがあります。
3シリーズはスポーツセダンとして硬質で運動性能を重視したような車ですが、X3はハンドルを切った時の車の挙動や路面からの不快な入力を遮断してくれる振る舞いなど動きに余裕があります。
静粛性も3シリーズよりむしろ5シリーズに近く、ロードノイズの遮音性などは明らかに3シリーズ以上です。
トルクフルで高回転まで回るディーゼルエンジン
X3 20dの車両重量は1870kg。これだけの重量級ボディをストレスなく加速してくれる2Lディーゼルエンジンはかなりトルクフルです。
出力が190ps、トルクが400Nmもあるので普段の街乗りレベルでは全く過不足なし!
またディーゼルエンジンとしては異例なほどに高回転までキレイに回るのでパドルシフトを使えばそれなりにスポーツ走行も楽しめます。あくまでそれなりにですけど。
弾けるように回転が上昇していくBMWエンジン特有の感覚はさすがにありません。これを望むなら3L直6エンジンを搭載したM30iを選んだほうが幸せになれます。
燃費はWLTCモードで14km/L。SUVとしては上等ですね。
X3 20d Mスポーツの気になるポイント
- モデルチェンジが近い
- xDriveの制御に若干違和感がある
- 駐車場の規定サイズに注意が必要
プレミアムSUVが欲しいという人には間違いのない選択肢ですがどうしても意識するのがモデルチェンジです。
2021年度中のマイナーチェンジが予想されるので今買うべきかどうかが悩みどころです。
ハンズオフなどの最新の運転支援機能が搭載されてくるのは間違いないと思うのでモデルチェンジを待ちたくなる気持ちもありますね。
動的質感の部分で少し気になったのはコーナリング途中で前輪の駆動力がハンドリングに対して多少の違和感を与えてくるところです。
こんなマニアックな話ほとんどの人には気になるポイントにならないと思いますがBMWを選ぶ人はFRの動的質感に対して敏感な人が多いと思うのであえて気になるポイントにしました。
前輪が頑張って駆動しているのが明確にステアリングを伝わって分かります。
ずっとFRにコダワッてきた人には違和感として感じるかもしれないのでぜひ一度試乗して自分の感覚で試してみてください。
僕の愛車320dツーリングxDriveではそれほど違和感を感じないんですがツーリングとSUVではセッティングが違うのかもしれません。
但し先にも述べましたが一部のマニアックな人を除いて、ほとんどの人には関係ないことだと思います。
駐車場事情にも注意が必要です。
X3の車幅は1890mm。一般的な立体式の駐車パレットNGのサイズです。マンション住まいの方は自宅駐車場が規格に合うか確認が必要ですよ。
ちなみに僕はこの駐車場サイズがネックでX3を購入選択肢から外しました。
BMW X3 20d Mスポーツはどんな人におすすめか
僕が考えるBMW X3 20d Mスポーツがおすすめな人は次の4パターンです。
- SUVでも走りを諦めたくない人
- SUVが好きで快適に超距離移動を楽しみたい人
- BMWのSUVに乗りたいがX1は小さくてFFなのがイヤ、でもX5はいくらなんでもデカすぎると感じている人
- リセールバリューを重視する人
X3 20dはSUV+AWDなのでもちろん悪路走破性も持ち合わせていますが、基本的には舗装された道を速く快適に走行することが得意な車です。
ハンドリングや動力性能、走行安定性の面で他のBMWと変わらない高い走行性能を持ちつつ、静粛性や乗り心地面で5シリーズに匹敵する快適性を持ったスゴイ車です。
普段の生活を旅行やアウトドアにとアクティブに過ごしつつ、時にはBMW特有の運転する楽しさをちゃんと実感したいと思っている人にはピッタリハマるんじゃないでしょうか。
BMWのSUVはX1からX7まで豊富にラインナップされますがX1、X2はよりシティライフ寄りでかつエンジン横置きのプラットフォーム。やっぱりBMWは縦置きだよね!というコダワリがある人は選択肢に入りません。
かといってX5、X6、X7はもはや選ばれし人しか乗れないような超巨大、超高額SUV。
X3は幅広い人の要求を満たしてくれるちょうど良い車だと思います。
あとはSUVなのでリセールバリューが良いというのも選択する大きな動機になると思います。
▼リセールバリューの高い車についてはこちらの記事▼
BMW X3 20d Mスポーツを好条件で購入する方法
BMW X3 20d Mスポーツを好条件で購入する方法を知っていますか?
今乗っている車をなるべく高値で売却することがとっても重要なんです!
車を買い替える時には今の車をディーラーに下取ってもらうことが多いと思います。
下取りは手間がかからない便利な方法でそれはそれで○なんですが、実はそれってとてももったいないんです。
- 自分の愛車を高く売りたい!
- 1番お得な方法で買い替えたい!
そのためにはディーラーで下取りしてもらう前に愛車の適正相場を知ることが絶対にオススメです!
ネットで複数の買取業者に一括査定を依頼すれば自分の愛車の相場がわかります。
相場がわかればディーラーとの交渉で査定額アップが見込めるかもしれないし、条件が合わなければ最高査定額を提示してくれた買取業者に売却すればいいですしね。
僕も車の買い替えはいつも一括査定で相場を知ることから始めてますよ。
査定だけなら完全無料なので色々な意味でオススメです!
また車を高く売る、なるべく好条件で買い替えるには時期やタイミング、その他にも抑えておいた方が良い重要なポイントがあります。
▼車を売る時期やタイミングを解説した記事はこちら▼
▼車の買い替え時期について解説した記事はこちら▼
まとめ:BMW X3 20d Mスポーツ試乗
いかがでしたか。
2017年にデビューし熟成の域に入ったBMW X3 20d Mスポーツの試乗レビューをお届けしました。
- BMW X3のグレード展開や価格等の基本情報
- BMW X3の内外装
- BMW X3の試乗レビュー
- BMW X3はどんな人におすすめか?
人気の輸入車SUV、しかも走りのBMWらしくSUVであっても走る楽しさ、操る喜びを存分に持ち合わせ、値段も手が届かない程ではないバランスの良い1台でした。
色んな意味で「良いSUV」を探している人にとっては十分に検討の価値がある車なのでぜひ一度試乗してみることをおすすめしますよ。